4月26日(土)、上尾運動公園体育館で関東高等学校バドミントン大会埼玉県予選(関東大会県予選)が行われました。東部地区予選を3位で通過した春日部高校は、大目標の関東大会出場をめざして大会に臨みました。関東大会には埼玉県から5校が出場できます。初日のトーナメント戦で決勝に勝ち残った2校がまず出場権を得て、残る3校は準決勝で敗退した2校とベスト8で敗退した4校の計6校で2、3日目にリーグ戦を行い、上位3校が出場権を得るという埼玉独自のシステムになっています。すなわち、初日にベスト8まで勝ち残らないと関東大会の可能性は消えるということです。36校のトーナメント戦のため、1回戦は4試合しかなく、春高は2回戦からの出場となりました。
初戦は南部4位の古豪・上尾高校との対戦です。
【2回戦】春日部 2-0 上尾
複1 ○葭葉[3年]・安藤[2年] 2(21-17、21-13)0 野口・敦川
単 ○栗原[3年] 2(13-21、21-17、21-18)1 渡邊
第1ダブルを担ったのは葭葉・安藤組。地区予選でもいい内容の試合をしていたので、期待が高まります。試合開始早々4-0、6-1とスタートダッシュを決めると、1ゲーム目はそのままリードを保って先取。2ゲーム目も最初こそ1-4とリードを許しましたがすぐに逆転し、11-7でインタバルを挟んだあとも危なげなく試合を進め、21-13で快勝しました。いい流れでシングルに繋いでくれました。



【写真】左上:試合前に円陣を組んで気合いを入れる春高選手たち
左下:ジャンプスマッシュで攻め続ける第1ダブルの葭葉・安藤組
右:最後のラリーをとってガッツポーズの葭葉くん
シングルはエースの栗原くん。相手の選手はフットワークが速くショットにも切れ味があり、さすが上尾の一番手といった感じで、ちょっと苦戦するかなという予感。1ゲーム目は相手のスピードが上回り、終始守勢のまま押し切られてしまいました。それでも栗原くんが真価を発揮し始めたのは第2ゲームから。前半の接戦を11-9と先手を奪うと、後半も小差の点の取り合いを制して1-1のタイに持ち込みました。ファイナルゲームは相手も切り替え、序盤をリードされて劣勢のまま7-11で折り返し。しかし、ここからが栗原くんの真骨頂。後半の出だしに栗原くんが粘りを発揮して13-13で追いつくと、それまでのショットが決まらなくなってきた焦りからか相手がミスを連発するようになり、完全に栗原くんのペースに。最後も相手のミスで勝ちきり、上尾高校に2-0で勝利しました。快勝といえる内容でした。



【写真】左上:シングルのファイナルゲームでの接戦を粘り強くレシーブする栗原くん
左下:上尾高校に勝利して試合後の挨拶
右:試合に勝って充実した表情の栗原くん
3回戦は、昨秋の新人大会3位校で第3シードの浦和北高校。関東大会常連の強豪校です。昨年の部長だった佐無田くんの弟が3年生にいて、その名前が第2ダブルに記載されていました。
【3回戦】春日部 0-2 浦和北
複1 ●岡田[3年]・城[3年] 0(16-21、12-21)2 田中・根岸
単 ●栗原 0(14-21、10-21)2 小島
第1ダブルは岡田・城の3年生ペア。地区予選では残念な内容の試合もあったので、本人たちも気合いが入っているように見えました。しっかりと攻撃の形を作ってスマッシュを打ち込むラリーもたびたび見られましたが、ラリーを繋ぐ力や決め球も相手が一枚上で、終始リードされる展開。最後まで諦めずよく奮闘しましたが、0-2で敗れてしまいました。



【写真】左:第1ダブルで後衛からスマッシュを打ち込む岡田くん。前衛は城くん
右上:負けじと城くんも強烈なジャンピングスマッシュ
右下:大差でリードされながらもラリーに勝ってスマイルタッチ
シングルは初戦に続いて栗原くん。2ゲームとも前半はよくシャトルに食らいついて健闘しましたが、後半は突き放され、最後は10-12から9点連続失点で押し切られてしまいました。ベスト4のチームの実力は、さすがにこれまでの相手とは一段レベルが違うなと感じさせられた一戦でした。



【写真】左:第1ゲーム、果敢に強打で攻める栗原くん
右上:浦和北との試合開始前に整列
右下:栗原くんは第2ゲームの前半で粘りを見せて同点に
目標には達することができずに3年生は最後の団体戦を終えました。しかしながら、試合内容は地区予選会よりもはるかにいい試合ができていたと思います。終わってみれば、3年生の中には団体戦に向けて「もう少しああしていれば」という気持ちの残った人もいるのではないでしょうか。悔いの残らない大会というのは、だれしもが経験できるものではありません。多かれ少なかれ、もう少し努力できたのではと思う選手が大半でしょう。その気持ちを次の世代に伝え、託していくことが次の新たな活力を生み出していきます。後輩たちに何を伝えていくか、3年生は残された活動の日々を通じて考えていってください。
ところで、昨年の「東部地区の8校すべて1勝以上」に続いて、今年も東部地区の代表校は8校中7校が1勝以上をあげていました。唯一初戦で敗退した栗橋高校も、早大本庄相手に第2ダブルのファイナル延長ゲームまでもつれ込む大接戦を演じていました。しかも、予選会フリーパスの叡明が決勝に、地区予選突破組からも久喜北陽と草加西がベスト8、それに春高と越ヶ谷、越谷南、草加東を加えた7校がベスト16という立派な成績。また、東部3位の春高が南部4位の上尾に、東部4位の越ヶ谷が南部3位の川口青陵にそれぞれ勝ったことは、これまで最強と目されてきた南部地区をも上回った成果だったといえるのではないでしょうか。昨年も記しましたが、本当に東部地区が強くなったなあと実感しました。県大会ともなれば接戦が多く、個々の技術力はもちろんですが、それ以上にファイナルや延長ゲームを競り合って乗り越える強いメンタルが必須になります。そのような接戦を勝ちきる力が東部の学校には着実に育ってきているのです。
その最大の要因は、叡明高校が東部地区に移ってきたことでしょう。2015年に叡明が地区移転してきてから10年。当初は「絶対的強豪校が東部地区に移ってくることで、県大会への代表枠が厳しくなる」と悲観する声もありましたが、狭くなった出場枠を競うことからより一層、切磋琢磨する気運が高められ、それに合わせて各校の顧問や指導者が向上心を持って取り組んできた成果だと思います。
人生は塞翁が馬、災い転じて福となす。今後も東部地区がさらに強くなって、複数の関東大会出場校が出るようになっていってほしいですね。


【写真】左:越ヶ谷高校も川口青陵高校に勝利。東部は強い!
右:岡田・城組がラリーに勝って喜ぶ春高応援団
保護者の皆様にもたくさん応援していただきました。
ありがとうございました。
小池先生のコメント「地区大会は第1シードで出場したものの、準決勝敗退で悔しい思いをしました。この悔しさを晴らすべく気持ちを切り替えて県大会に臨みましたが、県シードの壁は厚く、3回戦での敗退となりました。県ベスト16という昨年度と同様の成績を残せたのは良かったですが、そこを越えられなかった原因をチーム全体で考えていきたいと思います。インハイ予選は昨年度以上の結果を出せるよう、残された時間の中で練習に励んで参りますので、引き続き応援よろしくお願いいたしします」